2015年の全中団体戦で初の日本一に輝いた安田学園中学校柔道部ですが、実は彼らの練習する道場は試合場を1面取るのが精一杯の広さで、場外はすぐに壁で囲まれているといった制約もあるため、決して恵まれた環境ではありませんでした。
そんな中、川合卓司監督は成長期ならではの指導法に工夫を凝らし、生徒同士がケガをせず、一本を狙って投げきる柔道を実現してきました。
今作では、その安田学園の実際の稽古から、打ち込み・トレーニング・投げ込み・乱取り稽古まで、練習場所の制約がある各道場で活かしたい指導法を紹介しています。
発売:2016年
実技:安田学園中学・高等学校 柔道部
【主な成績】
2015年 全国中学校柔道大会団体戦 優勝
筑波大学柔道部長小俣 幸嗣
著者の川合氏は、学生時代から地味ながら正攻法で稽古に励む柔道家だった。変わらない訥々とした語り口に懐かしさを覚えた。
内容は映像でしか伝えられない部分を抽出して的確に解説しており、さらに生徒の個性差も見せるなど充実している。また育成期にある生徒たちの将来を見据えるような、ゆったりした指導が見る者を安心させる。彼の正統な技術観が背後に窺えるからであろう。
東京という激戦区にあって短期的な勝利を求めることもなく、狭い道場や練習時間の制約のなか、不利を補う工夫の延長線上で全国制覇は果たされたのだと得心した。
このDVDは指導者たちに工夫研究への動機付けを強化することはもちろんであるが、生徒達が自身の目と耳で直接見ても十分効果が期待できるものといえる。まさに施設、指導者、情報など環境に恵まれない柔道愛好家への福音の一巻であると確信する。
※指導者・協力者等の役職、所属は収録日時点のものとなります。